「近景・中景・遠景」の塗り分けがしっかりとできており、距離感が伝わる絵になっています。

特に近景のアジサイは光の方向性が正確に表現され、同時に小花まで細密に描写されていて、見事な仕上りです。

また、中景のドーム型のあずまやも、形を捉えるのが難しい建物ですが、正確に描かれていて、

且つ着彩（白い物体を立体的に見せる）も素晴らしいです。

アメリカン・アンカレッジ記念碑のあるあずまやに隣接する、客船ターミナルの軒の飾りを近景にして

「額縁構図」にするという工夫がなされた作品です。

また、画面右下のアジサイが「アクセント」として効果を上げています。

遠くの船、海沿いの柵、街灯など細かいところも丁寧に描かれています。

海に面した岩やコンクリートの表現が、質感の伝わる見事な出来となっています。

画面手前の海面から桟橋付近までと、そこから更に遠くの海との距離感の表現が抜群です。

ディテールも描き込み過ぎず、かといって抜き過ぎもなく、非常にバランス良くまとめられています。

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丁寧に色を重ねて描かれているので、色の深みが感じられ、かつ美しい発色の作品となっています。

アジサイとあずまやの配置のバランスがとても良く、まとまった印象の構図になっています。

また、近景のアジサイを無理に画面に収めようとはせずに、その一部だけを描くことによって、画面外を想像させて風景の広がりを伝えることに成功しています。

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カタツムリの描き込みなどに、この風景（たくさんのアジサイ）を目にした京音さんの思いが伝わってくる感じがします。

光の方向性も正確に描けていますし、アジサイの中に見える様々な色も美しく表現されています。